目次
概要
BOOX Note Air2 Plus、BOOX Tab Ultra C Pro。二つを脇に置きながら、Note Air3 Cが日常の読書と書き込みをどう滑らかに変えるかを確かめます。色表現のあるコンテンツでも目に優しく、手書きの感覚は紙に近い落ち着きがあり、読む・考える・まとめるの往復が気持ちよく続けられるのが第一印象です。持ち運びを前提にした薄さとバランスの良い筐体は、カバー込みでも扱いやすく、机上でも手持ちでも姿勢を崩しません。アプリ連携や同期は実務にも学習にも十分で、ペン入力の安定感は思いつきを逃さない速度感に寄与します。Air2 Plusからの乗り換えでは「書く楽しさ」が一段と前に出て、Tab Ultra C Proと比べると「読む・書くに集中できる軽さ」が魅力として立ちます。日々のルーチンで起きがちな、薄暗い室内での再読、資料の色味確認、手書きからテキスト化への切り替えなどの小さなハードルがどこまで下がるのか、具体的な使用順序に沿って検証します。この概要で全体像を掴んだら、次は短時間で要点を確認し、最後に用途別の選び分けを明確化していきます。読み進めるほどに、自分の作業の癖にどこが響くかが見えてくるはずです。
比較表
| 機種名 | ONYX BOOX Note Air3 C | BOOX Note Air2 Plus | BOOX Tab Ultra C Pro |
|---|---|---|---|
| 画像 | |||
| ディスプレイサイズ | 10.3インチ | 10.3インチ | 10.3インチ |
| ディスプレイ方式 | E Ink Kaleido 3 カラー | E Ink Carta モノクロ | E Ink Kaleido 3 カラー |
| 解像度(白黒) | 2480×1860 | 1404×1872 | 2480×1860 |
| 解像度(カラー) | 1240×930 | 該当なし | 1240×930 |
| 画素密度(白黒) | 300ppi | 227ppi | 300ppi |
| 画素密度(カラー) | 150ppi | 該当なし | 150ppi |
| 前面ライト | 色温度調整対応(ウォーム/コールド) | 色温度調整対応(ウォーム/コールド) | 色温度調整対応(ウォーム/コールド) |
| SoC/CPU | Qualcomm 2.4GHz オクタコア | 2.0GHz オクタコア | Qualcomm 2.8GHz オクタコア |
| メモリ | 4GB LPDDR4X | 4GB | 6GB |
| ストレージ | 64GB UFS 2.2 | 64GB UFS 2.1 | 128GB UFS 2.2 |
| microSDカード | 対応 | 非対応 | 対応 |
| バッテリー容量 | 3700mAh | 3700mAh | 4600mAh |
| スピーカー | デュアルスピーカー | モノラルスピーカー | デュアルスピーカー |
| マイク | 搭載 | 搭載 | デュアルマイク搭載 |
| 指紋認証 | 対応 | 非対応 | 対応 |
| スタイラス | 4096段階筆圧対応(BOOX Pen Plus) | 4096段階筆圧対応(BOOX Pen Plus) | 4096段階筆圧対応(BOOX Pen2 Pro) |
| OS | Android 12 | Android 11 | Android 12 |
| Wi-Fi | Wi-Fi 5(2.4/5GHz) | Wi-Fi 5(2.4/5GHz) | Wi-Fi 5(2.4/5GHz) |
| Bluetooth | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
| USB | USB Type-C(OTG対応) | USB Type-C(OTG対応) | USB Type-C(OTG対応) |
| 本体サイズ | 226×193×5.8mm | 229.4×195.4×5.8mm | 225×184.5×6.6mm |
| 重量 | 430g | 445g | 450g |
比較詳細
ONYX BOOX Note Air3 Cを手にした瞬間、まず感じるのは画面の発色と視認性の向上である。前世代のNote Air2 Plusと比べると、カラーE Inkの表現力がより自然で、細かな色の階調が柔らかく目に届く。長時間読書していても目の疲れが軽減されるように感じ、特に雑誌や技術書の図表を読む際に違いがはっきりと分かる。Note Air2 Plusはモノクロ表示の安定感が魅力だったが、Air3 Cでは色付きの資料を紙に近い感覚で確認できる点が大きな進化だと体感した。
色付きコンテンツの扱いでも違いは明確だ。たとえばプログラミングの技術書で、コードブロックや注釈が色分けされているページを開くと、Air3 Cでは紙のカラープリントに近いニュアンスで把握できる。一方、Note Air2 Plusだとモノクロ化された情報を頭の中で再構成する必要があり、慣れていてもわずかに負荷を感じる。Air3 Cでは「見たまま理解できる」場面が増え、学習やレビューのテンポが自然と整う印象がある。
一方でTab Ultra C Proと比較すると、Air3 Cは軽量さと持ちやすさが際立つ。Tab Ultra C Proは性能面でパワフルだが、筐体の厚みや重量が日常的な読書用途ではやや負担になることがある。Air3 Cは薄型で片手でも安定して保持でき、寝転びながらの読書や通勤電車での使用において快適さが際立つ。実際に使ってみると、手首への負担が少なく、自然に長時間読み続けられる点が大きな違いとして感じられる。
操作性に関してもAir3 Cは進化を感じる。Note Air2 Plusではページ送りやアプリ切り替えの際にわずかな遅延を意識することがあったが、Air3 Cではレスポンスがより滑らかになり、指先の動きに即座に反応する印象を受ける。Tab Ultra C Proはさらに高速だが、その分タブレット的な性格が強く、電子書籍リーダーとしてのシンプルな没入感はAir3 Cの方が自然に感じられる。読書に集中したいとき、余計な機能の存在を意識せずに済むのはAir3 Cの魅力だ。
ペンの書き味も「紙感覚」というキーワードにふさわしい。Air3 Cのガラス面はうっすらとマット仕上げで、ペン先が滑りすぎず、引っかかりすぎないバランスに収まっている。会議中にメモを取っていると、ふと「今ノートに書いていたっけ?」と錯覚する瞬間があるくらい、視覚と手触りのギャップが小さい。個人的には、ToDoやアイデアをラフに殴り書きして、そのままページを分割して整理するスタイルがかなりしやすくなったと感じている。
画面サイズは三機種とも大きめで、文庫本や新書サイズを超える情報量を一度に表示できるが、Air3 Cは色付き表示によって図解やイラストがより鮮明に見えるため、学習用途や資料確認において優位性を感じる。Note Air2 Plusでは文字中心の読書に最適だが、Air3 Cでは視覚的な情報を取り込む際の満足度が高い。Tab Ultra C Proもカラー表示に対応しているが、重量や筐体の存在感が強いため、純粋に「読む」ことに集中するならAir3 Cの方が自然に没入できると感じた。
バッテリーの持ちはNote Air2 Plusと同様に長時間使用に耐え、Air3 Cも安心して一日中持ち歩ける。朝の通勤でニュースとメモ、日中はPDFの確認、夜は小説とノート整理、といった流れで使い続けても、残量ゲージがじわじわとしか減らない感覚がある。Tab Ultra C Proは高性能ゆえに消費がやや早い印象があり、読書専用として使うならAir3 Cの安定感が心地よい。実際に外出先で数時間読書しても残量を気にする必要がなく、精神的な余裕が生まれる点は大きな利点だ。
質感やデザイン面ではAir3 CはNote Airシリーズらしい薄さと洗練された外観を継承しつつ、カラー表示による新鮮さが加わっている。手に取ったときの軽快さはNote Air2 Plusと同等だが、画面を点灯した瞬間に広がる色彩が新しい体験をもたらす。Tab Ultra C Proは高級感があり、ビジネス用途にも映えるが、日常的な読書体験としてはAir3 Cの方が肩の力を抜いて楽しめる雰囲気がある。
実務面では、クラウド連携やアプリ利用のニュアンスも三機種で少しずつ違う。Air3 CとTab Ultra C ProはいずれもAndroidベースで、Google Play経由のアプリ導入が現実的だが、Tab Ultra C ProはブラウザやOfficeアプリを多用する「ミニPC」寄りの使い方が得意。その一方で、Air3 Cはノートアプリと電子書籍リーダーを中心に据えた構成がしっくり来る。個人的には、「読書+手書きメモ+簡単なリファレンス検索」までをAir3 Cで完結させ、重いドキュメント編集やマルチタスクはPCやTab Ultra C Proに回すと、作業全体がすっきり整理される感覚があった。
実際に使い比べてみると、Note Air2 PlusからAir3 Cへの移行は「読書体験がより豊かになる」という感覚が強い。文字だけでなく図や色を伴うコンテンツを自然に楽しめるようになり、紙の本に近い感覚が広がる。Tab Ultra C Proは多機能であり、電子書籍以上の用途に応えるが、純粋に本を読むという行為においてはAir3 Cの方が軽快で集中しやすい。読書を生活の一部として取り込みたい人にとって、Air3 Cは自然に手に馴染み、毎日の習慣を支える存在になると感じた。
総じて、Air3 CはNote Air2 Plusの安定感を引き継ぎつつ、カラー表示による新しい価値を加え、Tab Ultra C Proの性能を意識しながらも読書専用機としての軽快さを保っている。スペックの数字以上に、実際に手にして読むときの心地よさや没入感が大きな差として現れる。体感としては「読むことが楽しくなる」方向に進化しており、電子書籍リーダーを日常的に使う人にとって、Air3 Cは自然に選びたくなる存在だと強く感じた。
まとめ
総合的に最も満足度が高かったのはNote Air3 C。Kaleido 3の自然な発色は挿絵や図版のニュアンス把握に十分で、白黒300ppiの精細さが本文の読み込みと校正に直結する。前面ライトの色温度調整は夜間の長時間セッションでも目の負担が少なく、薄くフラットな筐体は机上で紙のノートの延長として違和感なく使える。手書きは筆圧と摩擦感のバランスが良く、思考のリズムを乱さない。Androidベースの柔軟性もあり、読書中心の作業を一台に束ねる運用が現実的だ。
実際の使い方としては、仕事ではPDF資料にコメントを書き込みつつ、プライベートでは小説やマンガを読む、という二つのモードを行き来するイメージに近い。朝のコーヒータイムにニュースとRSSをざっと眺め、日中は打ち合わせメモを手書きで残し、夜にはベッドサイドでライトを少し暖色寄りにして読書に切り替える――そんな一日の流れを邪魔しないのがAir3 Cの良さだと感じた。「起動するのが面倒」「重くて持ち出さなくなる」といった、ありがちな電子デバイスの失速ポイントをうまく避けてくれる。
次点はTab Ultra C Pro。反応速度と物理ページボタン、キーボード連携で“電子ペーパーなのに作業が進む”感覚を強く後押しするが、筐体一式の取り回しはワークスタイルを選ぶ。表示はカラー重視の用途に適し、資料の再確認や多機能ノートの活用で強みが出る。外付けキーボードと組み合わせて「テキスト入力もこの一台で」と考えるなら、Tab Ultra C Proのほうが明らかに頼もしい。一方で、純粋な読書デバイスとしてはオーバースペックぎみで、重量を許容できるかが分かれ目になる。
三位はNote Air2 Plus。白黒表示の見やすさとスタミナ、軽い取り回しは今でも魅力的で、紙寄りの集中読書に向く。Kindle本や技術書をモノクロ前提で読み込むスタイルであれば、必要十分どころかまだまだ現役の実力派だ。ただし多用途化やカラー表示のニーズがあるなら一世代後の選択が自然だ。今後長く使うことを見据えるなら、OS世代の新しさやストレージの伸びしろを含めて、Air3 CかTab Ultra C Proを起点に検討した方が安心感は大きい。
ベストチョイスはNote Air3 C。読書・注釈・下書きを無理なく一体化でき、毎日のルーチンが静かに整う。カラーが必須で作業速度を優先するならTab Ultra C Pro、白黒読書特化で軽快さと持ち出しやすさを重視するならNote Air2 Plusを推す。最終的には「どこまで端末に仕事を背負わせるか」で選び分けるのがわかりやすい基準になるだろう。
引用
https://boox.com/note-air3-c/
https://boox.com/note-air2-plus/
https://boox.com/tab-ultra-c-pro/
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